食品には様々な食品添加物が使用されています。しかし、どのような目的で加えられているのか分かりづらいですよね。それから安全性についても不安を感じている方も多いと思います。この記事では、添加物を使用目的ごとにまとめ、よく使われる食品を例示しました。普段見かける添加物がどのような目的で使用されているのかを確認してみてください。
食品添加物とは
食品衛生法では、「食品添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。」と定義されています。
食品添加物は、着色料、甘味料、保存料等の種類がありますが、日本で使用できる食品添加物は、原則として厚生労働省が定めたものに限られます。
食品添加物の由来(分類)
食品添加物は、厚生労働大臣が指定した指定添加物と、天然に存在する既存添加物があります。他には天然素材を使用した天然香料と、飲食物を添加物として使用した一般飲食物添加物があります。
指定添加物
食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が使用を認めた添加物です。現在、465品目あります。
既存添加物
長い間、食べられてきたもので、例外的に添加物としての使用が認められています。徐々に指定添加物に移行されていっています。現在、既存添加物は365品目あります。
天然香料
動物や植物から得られる天然の物質を、香料として使用するものです。
一般飲食物添加物
一般の飲食物を添加物として使用するものです。
食品添加物の種類と使用目的
製造の過程で使用されるもの
酸・アルカリ剤
食品に、酸又はアルカリ性を与えて、性質を変化させます。
ろ過助剤
不純物を吸着し、ろ過を効率的に行います。
抽出溶剤
大豆等の原材料から、油脂などを効率的に抽出できるようにします。
他に、pH調整剤、消泡剤等があります。
食品を形作るために使用されるもの
凝固剤
豆乳を固めて、豆腐にするために用いるものです。いわゆる『にがり』も凝固剤に含まれます。
ゲル化剤
冷やすとゲル化(固形化)するものです。ゼリーやジャムを固形化する際に使用します。
乳化剤
水や油のような、本来混じり合わないようなものの境界に働いて、均一にさせます。
膨張剤
ふくらし粉やベーキングパウダーとも呼ばれ、炭酸ガスを発生させ、焼菓子等をふっくらと膨張させます。
結着剤
ハムやソーセージなどの組織の改良、たんぱく質の変性防止、解凍時のドリップ防止などの目的で使用します。
嗜好性を高めるために使用されるもの
発色剤
肉類の鮮紅色を保持するものです。
着色料
食品を着色するものです。
漂白剤
食品を漂白するものです。
甘味料
食品に甘みをつけるものです。
酸味料
フルーツ系の酸味をつけるものです。
調味料
食品に旨味を与えます。本来、かつおや昆布に含まれる、アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の旨味成分を化学的に合成又は抽出したものです。
香料
食品に香りを付けたり、増強したりします。天然から抽出されたレモン、オレンジ、ジャスミンなどに加えて、化学的に合成されたアセト酢酸エチル等があります。
品質を保持する目的で使用するもの
酸化防止剤
油脂などの酸化を防止するものです。
保存料
カビや微生物等の発育を抑制し、食品を保存するものです。
防カビ剤
かんきつ類のカビ発生を防止するものです。農薬です。
殺菌料
食品に付着した微生物等を殺菌するもの。保存料と異なる点は、微生物の発育を抑制することではなく、死滅させます。
栄養成分の補填、強化を目的に使用されるもの
ビタミン類、核酸、ミネラル類、アミノ酸類等
栄養強化を目的に、ビタミン類やミネラル類が食品添加物として使用されます。
まとめ
この記事では、食品添加物の種類と使用目的を簡単にまとめました。普段食べられている食品にどのような食品添加物がどのような目的で使用されているのかを知っていただければと思います。
食品添加物は、その種類や規制が複雑で一度に説明することができませんので、具体的な添加物を使用することができる食品や安全性等については、今後、個別にページを作成しようと思います。

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