オレンジやレモンに使用される農薬『防カビ剤』の種類と安全性に対する考え方

スーパーで売っているオレンジやバナナに『防カビ剤○○使用』と表示されているのを見たことはないでしょうか。

その安全性に疑問を持つ消費者の方も多いと思います。

ゴン

このまえ買ったオレンジに防カビ剤っていう薬品が使用されていたよ!
防カビ剤って農薬じゃないの?
食べて大丈夫なのかな?

もぐ

防カビ剤は農薬の一つだけど、食品添加物でもあります。
安全性については人それぞれで意見が分かれますね。

ゴン

カビを生やさなくするってことは、人の細胞にも影響がありそうじゃない?
そもそも、どうしてオレンジやレモンに防カビ剤を使うんだろう?

もぐ

それじゃあ、この記事で防カビ剤について説明していきます。
この記事を読めば、防カビ剤について詳しく知ることができます。
安全性については私の考えを紹介します。

記事の信頼性

この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師がまとめました。

目次

防カビ剤とは

防カビ剤とは、農薬の一つであり、食品添加物の一つでもあります。

添加する目的は、カビの発生を防止するためです。

なぜ、防カビ剤が使用される?

みかんやレモンなどは船で時間をかけて運搬され、各国から輸入していますが、この間にカビが生えてしまいます。

これを防ぐために、収穫後に防カビ剤が作物に添加されます。

もぐ

ヨーロッパから日本まで船で運ばれてくるのに1か月ぐらいかかります。
その間に、船の上のコンテナの中でカビが生えてしまいます。

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防カビ剤は食品添加物なので表示が必要

ゴン

作物に使用している農薬って普通、食品表示に記載されていないよね?
どうして防カビ剤は表示が必要なの?

防カビ剤は農薬の一つですが、その使用の方法目的から我が国では食品添加物として規制しています。

そのため、使用基準(食品に使用していい量)が設定されており、食品表示も必要です。

もぐ

包装されていない作物は、プライスラベル(値札)などに表示が必要です!

防カビ剤の種類

防カビ剤名使用できる食品一覧
イマザリルかんきつ類(みかんを除く)、バナナ
オルトフェニルフェノールかんきつ類
チアベンダゾールかんきつ類、バナナ
フルジオキソニルあんず、おうとう、かんきつ類(みかんを除く。)
キウィー、ざくろ、すもも、西洋なし、ネクタリン
びわ、マルメロ、もも、りんご
ゴン

主にかんきつ類などの果物に使用されているんだね

防カビ剤の作用機序

イマザリル

細胞壁の成分『エルゴステロール』の合成を阻害することにより、細胞壁を維持できなくし、抗菌効果を示します。

もぐ

細胞壁というのは、細胞膜の外側にある細胞を守る壁のことです。

オルトフェニルフェノール

真菌が細胞膜を合成するのを阻害します。具体的には、細胞膜合成に関与する脂質の過酸化を阻害します。

チアベンダゾール

チューブリンという、細胞分裂時に働くたんぱく質に結合することで、真菌の細胞分裂を阻害します。

フルジオキソニル

はっきりと解明はされていませんが、真菌の細胞膜に作用し、アミノ酸やグルコースを細胞内に取り込むのを阻害することにより抗菌効果を示すと考えられています。

アミノ酸やグルコースが細胞内に取り込まれないと細胞はエネルギーを作れず、生きていけません。

防カビ剤の安全性に対する私の考え方

防カビ剤の安全性については、皆さん気になるところだと思います。

防カビ剤については、さまざまな毒性が報告されておりますので、私も、防カビ剤は無条件に安全だとは思いません。

もぐ

むしろ、積極的には摂取したくない食品添加物ですね。

しかし、次の理由により、防カビ剤とはある程度安全に付き合うことができるかもとも考えています。

①食品に使用できる量は決められている

防カビ剤は、使用していい食品だけでなく、使用できる量も決められています。

その基準値は、人が生涯にわたって、毎日摂取し続けても健康に影響がない量として定められています。

そのため、防カビ剤が使用されている食品を食べてしまったとしても、直ちに健康への被害はないものと考えます。

ゴン

防カビ剤を、食品に使用していい量を超えて使用していても、防カビ剤はほとんど臭いも味も無さそうだから分からなくない??

もぐ

それができないように、検疫所や行政が定期的に抜き取り検査をしています。

②防カビ剤はある程度除去することが可能

もぐ

残留農薬の除去についてはこんな記事がでています。

防かび剤の除去、「ゆでる」が効果的 オレンジの皮でテスト

輸入かんきつ類の果皮に残留している防かび剤について、北海道消費者協会が効果的な洗浄方法を調べるテストを実施した。オレンジの皮を使い、「水洗い」「洗剤洗い」「塩もみ」「ゆでる」の四つの方法を試した結果、ゆでる方法が最も除去率が高いことがわかった。同協会は「ケーキやジャムなどを作る際に皮を利用する場合は下ゆでするとよい」とアドバイスした。

豪州産オレンジを使い、果皮に残留しているチアベンダゾール(TBZ)とイマザリルの除去率を調べた。四つの洗浄方法(=記事下段に詳細)を試した結果、最も効果的だったのは「ゆでる」で、除去率はTBZが90%、イマザリルが61%となった。以下、「塩もみ」(TBZ79%、イマザリル39%)、「洗剤洗い」(TBZ49%、イマザリル26%)、「水洗い」(TBZ38%、イマザリル21%)の順。防かび剤の種類で除去率に差があり、TBZの方がよく除去できることもわかった。

引用元:ニッポン消費者新聞(全文はこちら

ゴン

具体的なゆで方や洗い方は全文を読んでみてね!

つまり、防カビ剤が使用された食品をどうしても食べなくてはいけなくなったときや、貰い物などで防カビ剤が使用されているか分からない時は、この記事の内容を参考に防カビ剤を可能な限り除去することが可能です。

以上の2点により、私は、防カビ剤は極力避けながらも、防カビ剤が使用されている食品と、ある程度、安全に付き合うことも可能だと考えています。

どうしても防カビ剤を避けたい方へ

防カビ剤は、前述したとおり、使用している場合は表示しなくてはなりません。

包装されていない裸売りの果物も、値札やプライスカードに表示が必要です。

そのため、どうしても防カビ剤を避けたい方は、表示を確認して、使用の有無を確認しましょう。

ゴン

防カビ剤の物質名は、この記事の防カビ剤な種類の項目を参考にしてね!

安全で安心な食材を購入したいけど表示を確認するのは面倒!という方や、表示の文字が細かくて確認できない!という方は次の記事がおすすめですので是非確認してみてください!

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