
卵って買ってからいつまで生で食べれるのかな?
卵が原因の食中毒が発生してるって聞いたことがあるから、正しい保管方法や調理方法を知りたい!



卵の衛生管理については分かりにくいよね
この記事では、卵を安全に食べるための保存方法や調理方法をまとめたよ!
この記事を読めば、いつまで卵を生で食べられるかを知ることができ、また、卵を安全に食べる方法もわかるため、卵による食中毒を防ぐことができます。
この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が、卵の安全な保管方法や調理方法をまとめました。
卵を原因とした食中毒について
卵は保存性の優れた食品ですが、卵を原因とする食中毒が例年発生しています。
卵を原因とする食中毒として代表的なものが、サルモネラ食中毒です。
卵はサルモネラに汚染されていることがあり、卵の取り扱い不良により、サルモネラ菌を増やしてしまい、食中毒を起こします。
卵の汚染経路について
卵は通常、卵選別包装施設(GPセンター)にて洗浄されますので、食中毒の原因となるサルモネラ菌は、卵の外側に付着していたものではなく、卵の内部に入り込んでいたものと考えられます。
卵の内部がサルモネラに汚染されている割合は、1万個に対し、2~3個(約0.03%)という調査結果があり、それほど多くはありません。
卵の内部がサルモネラに汚染される経路は次の2パターンが考えられています。
- 卵が作られる段階ですでに内部にサルモネラが存在する場合(イン・エッグ汚染)
- 産卵後に殻の表面などについたサルモネラが殻のひび割れ等から卵内に侵入する場合(オン・エッグ汚染)
卵が食卓に届くまで
卵が食卓に届くまで、どのような衛生管理がなされているのでしょうか。
養鶏場
養鶏場では、鶏へワクチンを投与したり、衛生管理の徹底により、サルモネラに汚染されていない卵の生産に努めています。
卵選別包装施設(GPセンター)
卵選別包装施設(GPセンター)では、卵を洗浄し、食用に適さない卵は廃棄し、生食できる正常な卵を分別しています。
これらの努力により、食卓に届く卵はサルモネラ菌にほとんど汚染されていません。
しかし、まったくゼロというわけではありませんので、次の方法により、卵を原因とする食中毒を予防しましょう。
卵はいつまで生で食べることができる?
賞味期限内の卵で、購入後、家庭の冷蔵庫で保管されていた卵は、生で食べても問題はありません。



賞味期限を過ぎた卵は、加熱して食べましょう!
~卵は生食して大丈夫?サルモネラ汚染は?~
正常卵であれば、仮にサルモネラに汚染されていても一定の期間は菌が増殖できないため、食中毒を起こすことはありません。この期間は、保存温度に左右され、温度が低ければ長く、高ければ短くなります。
【サルモネラを添加した実験データから算出した生で食べられる期間】
夏期:採卵後16日以内 春秋期:採卵後25日以内 冬期: 採卵後57日以内
家庭で卵を取り扱うときのポイント
卵を買うとき
卵はきれいで、ひび割れのないものを購入しましょう。
賞味期限の日付をよく確認して購入しましょう。
~ザラザラした卵が新鮮?~
現在の卵は、大部分がブラシで洗ってから出荷されているため、この見分け方はあてにはなりません。 卵は全体的にきれいで、キメが細かく、表面に汚れやひび割れがないものを選びましょう。
~良い卵とは~
新鮮な卵は、割ったときに殻から中身が離れにくく、卵黄がこんもり盛り上がっています。また、卵白は厚みがあって白く濁ったようにみえます。 殻を割らずに鮮度を見分けるには、10%程度の食塩水に卵を浸す方法があります。古くなった卵は浮いたり立ったりしますが、新鮮な卵は沈みます。
保存するとき
持ち帰った卵はすぐに冷蔵庫に入れましょう。10℃以下が目安です。
卵は表示されている期限内に消費しましょう。
賞味期限を過ぎた卵は、できるだけ早く加熱調理をして消費するように心がけましょう。
~上手な保存方法は~
卵の新鮮さを保つには、卵黄を安定させるため、卵の丸いほうを上にして置いておくことをおすすめします。また、卵は呼吸をしていて、外部のにおいを吸い込みやすいので、臭いの強い食品から話して置いたほうが良いでしょう。
~卵には上下がある?~
卵はとがった方を下にしてパックに入って売られています。これは、丸い方よりもとがった方が強度が強いこと、また、丸い方には「気室」があって、こちらを下にすると卵黄と空気が触れやすくなって雑菌が入り込む可能性があるので、それを防ぐためです。 鶏も卵を産み落とすとき、とがった方から落とすことが多いようです。したがって、卵はとがった方がしたで、丸い方が上というのが正しいのではないでしょうか。
下準備のとき
卵や卵料理に使用したボウル等の器具容器は、使った後、よく洗うようにしましょう。
十分洗ってから、熱湯をかけると安心です。
卵は、料理に使う分だけ、使う直前に割ってすぐに調理しましょう。割ったままの状態で放置すると、細菌が増殖しやすくなり危険です。卵の割置きは絶対に避けましょう。
調理
卵は白身や黄身が十分固くなるまで加熱してください。
ゆでたまごは、沸騰水で5分以上加熱しましょう。
自家製マヨネーズは、材料の卵w加熱しないため、これまでにいくつかの事故例が報告されています。
家庭でマヨネーズを作る場合は、殻にひびのある卵などは使用せず、作ったらすぐに使い切るようにしましょう。
料理を途中でやめてそのまま室温で放置すると、細菌が食品についたり増えたりします。
途中で調理を中断するときは、冷蔵庫に入れ、再び調理をするときは、もう一度十分加熱するようにしましょう。
食事
生卵かけご飯、すき焼き、月見そばなど、卵を生で食べる場合には、殻が割れている卵やひび割れがある卵は使わずに、食べる直前に殻を割るようにしましょう。
温かくして食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。目安は、温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下です。
十分に加熱しない卵料理は、調理を始めてから2時間以内に食べるようにしましょう。
また、加熱調理を行った卵料理もなるべく早く食べてください。
お年寄り、妊娠中の女性、免疫機能が低下している人など抵抗力の弱っている人や、2歳以下の乳幼児には生卵を避け、十分加熱した卵料理を提供するようにしてください。
~血液の混じった卵は食べても大丈夫?~
食べても心配ありません。卵を割ったときにたまに血液が混じっていることがありますが、これは親鳥の血液が混じったものです。多量の血液が混じった「血玉卵」などは、食用不適卵としてGPセンターで取り除かれています。
~黄身についている白い部分は食べても大丈夫?~
食べても心配ありません。これは「カラザ」と呼ばれるもので、卵を中心に保持する役割を果たしています。成分はタンパク質です。
~赤玉と白玉の栄養価の違いは?~
栄養価に違いはありません。殻の色の違いは親鳥の種類の違いによるものです。殻の色の違いは、栄養価とは無関係です。
残った食品
残って、時間が経ちすぎてしまった卵料理は、食中毒の原因になる可能性もあるので思い切って捨ててしまったほうが安全です。
最後に
卵による食中毒も、普段からの衛生管理によって防ぐことができます。
そのため、これらのポイントに従い、食中毒を防ぐための衛生管理に取り組みましょう。
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