【解説】HACCPに沿った衛生管理について(義務化)

目次

HACCPとは

HACCPとは、食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因(ハザード)を把握したうえで、原材料の入荷から製品の出荷までの全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために、特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。

この手法は、国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。

HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略称で、「危害要因分析及び重要管理点」と訳します。

HACCP方式と従来方式との違い

HACCPは、原材料の入荷から製品の出荷までの各工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などの危害を予測した上で、危害の防止につながる特に重要な工程を連続的・継続的に監視し、記録することにより、製品の安全性を確保します。

これまでの最終製品の抜き取り検査(従来方式)では、一部の製品しか検査できませんでしたが、HACCPではすべての製品を確認でき、より効果的に安全性に問題のある製品の出荷を防止できるとされています。

HACCPの制度化(義務化)

平成30年6月の食品衛生法の改正により、原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められることとなりました。

HACCPに沿った衛生管理は、「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に大別され、いずれかの衛生管理を行うことが、食品等事業者の義務となります。

「HACCPに基づく衛生管理」

対象の業種は、食品の大規模製造業者です。具体的には、工場の従業員が50名以上となるような製造所が対象となります。

これ以下の規模や、飲食店などの小規模事業者は、後述する「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実践することとなります。

HACCPに基づく衛生管理は、具体的に7原則12手順により構成されています。

手順①から手順⑤は、原則1から原則7までを行うための準備です。

手順① HACCPのチーム編成

製品を作るために必要な情報を集められるよう、各部門から担当者を集めます。

手順② 製品説明書の作成

原材料や特性等をまとめておくと、危害要因分析の基礎資料となります。

手順③ 意図する用途及び対象となる消費者の確認

用途は製品の使用方法(加熱の有無等)を、対象は製品を提供する消費者を確認します。

手順④ 製造工程一覧図の作成

受入から製品の出荷もしくは食事提供までの流れを工程ごとに書き出します。

手順⑤ 製造工程一覧図の現場確認

製造工程図ができたら、現場での人の動き、モノの動きを確認して必要に応じて工程図を修正しましょう。

手順⑥【原則1】 危害要因分析の実施(ハザード)

工程ごとに原材料由来や工程中に発生しうる危害要因を列挙し、管理手段を挙げていきます。

手順⑦【原則2】 重要管理点(CCP)の決定

危害要因を除去・低減すべき特に重要な工程を決定します(加熱殺菌、金属探知等)。

手順⑧【原則3】 管理基準(CL)の設定

危害要因分析で特定したCCPを適切に管理するための基準を設定します。(温度、時間、速度等々)

手順⑨【原則4】 モニタリング方法の設定

CCPが正しく管理されているかを適切な頻度で確認し、記録します。

手順⑩【原則5】 改善措置の設定

モニタリングの結果、CLが逸脱していた時に講ずべき措置を設定します。

手順⑪【原則6】 検証方法の設定

HACCPプランに従って管理が行われているか、修正が必要かどうか検討します。

手順⑫【原則7】 記録と保存方法の設定

記録はHACCPを実施した証拠であると同時に、問題が生じた際には工程ごとに管理状況を遡り、原因追及の助けとなります。

「HACCPの考え方を取りいれた衛生管理」

「HACCPに基づく衛生管理」を一部簡略化し、衛生管理を行います。

飲食店や小規模製造業が対象となります。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」については、こちらの記事を確認してみてください。

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まとめ

HACCPに基づく衛生管理について、独学で導入するのは非常に難しいです。

厚生労働省が公開している手引書を参考にしたり、最寄りの保健所に相談しましょう。

参考 厚生労働省HPの手引書

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