
小さな赤ちゃんにハチミツを与えるのはダメって聞いたことあるんだけど、どうしてダメなの?



乳児ボツリヌス症っていう病気を発症してしまうことがあるんだよ
実際に死亡事故も起きてしまっているよ



そうなんだ、全然知らなかった。
乳児ボツリヌス症について詳しく教えてほしい!



それじゃあこの記事で、乳児にハチミツを与えてはいけない理由を分かりやすくまとめてみるね
この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が、乳児へ蜂蜜を与えることの危険性についてまとめました。
ハチミツを原因とする乳児の死亡事故が発生
平成29年3月東京都にて、ハチミツの摂取が原因と思われる、乳児の死亡例がありました。
離乳食で蜂蜜を摂取していた東京都内の生後6カ月の男児が先月末、「乳児ボツリヌス症」で死亡した。蜂蜜は乳児ボツリヌス症を発症する可能性があることから、1歳未満の乳児に与えないよう母子手帳に記載がある。しかし、このことを知らない人も少なからずいるのが現状で、厚生労働省は改めて注意喚起している。
東京都によると、死亡した男児は、市販のジュースに蜂蜜を混ぜて1日2回、約10グラム与えられていた。生後5カ月だった2月にけいれんや呼吸不全などの症状が出て入院、3月30日に死亡した。都は今月7日、死亡を乳児ボツリヌス症によるものと断定。
引用元:産経ニュース(2017年4月18日の記事)全文はこちら



悲しい事故だね



もう二度と繰り返してはいけないね
そのために詳しく勉強しておこう
乳児ボツリヌス症とは
乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられる病気です。
乳児がボツリヌス菌に感染することで発症します。



乳児ボツリヌス症の死亡事例は稀ですが、注意が必要です。
原因食品
乳児ボツリヌス症の主な原因食品は、ハチミツです。



ハチミツを使ったお菓子やパンも注意が必要だね



食品の表示をきちんと見て、ハチミツが使われていないか確認しよう!
ハチミツには、ボツリヌス菌が混入していることがあります。
ボツリヌス菌の特徴として、熱に強いので、加熱しても予防できません。
発症までの流れ
原因食品(主にハチミツ)とともに、乳児の体内に取り込まれたボツリヌス菌は、乳児の腸管内で毒素を産生し、ボツリヌス症を引き起こします。
乳児の腸内環境は、まだ整っていないため、ボツリヌス菌が増殖しやすい環境になっています。
そのため発症に繋がってしまいます。
大人は発症しない?
1歳以上になると腸内細菌が整うため、ボツリヌス菌はなかなか腸内で増殖できません。



そのため、1歳以上になれば発症のリスクはほとんどなく、通常は何も起こりません。



ボツリヌス菌が腸内細菌との競争に負けるんだね
症状
便秘、筋力の低下、哺乳力の低下、鳴き声が小さくなるなどの症状があります。
万が一ハチミツを与えてしまったら
万が一、1歳未満の乳児にハチミツを与えてしまった場合は、慌てずに赤ちゃんの様子を観察しましょう。
ハチミツを食べたらからといって必ず発症するわけではありません。
それでも赤ちゃんに便秘などの症状が出てきて、様子がおかしいなと思ったら、すぐに医療機関に相談してください。
乳児ボツリヌス症の予防対策
乳児ボツリヌス症を予防するには、1歳未満の乳児に、ボツリヌス菌に汚染される可能性のある食品(ハチミツ等)を食べさせないことです。
『赤ちゃんには、甘いものを食べさせてあげたい!』との思いから、赤ちゃんにハチミツを与えてしまいがちです。
母子手帳にも注意事項として記載されていますが、1歳未満の乳児にハチミツは与えないように注意してください。



母子手帳に書かれているため、お母さんは知っていることが多いです。
しかし、お父さんや、おじいちゃんおばあちゃん、親戚の方は、ハチミツにこのようなリスクがあることを知らない可能性があります。



1歳未満の乳児がいる場合は、ハチミツの危険性についてしっかり情報共有することが、予防するためには重要だと思います。



ハチミツは栄養価があって甘いから、何も知らない人は、乳児に親切心で、あげてしまうかもしれないからね
要注意だね!
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