近年、『カロリーゼロ』の飲料が多く流通するようになりましたね。『カロリーゼロ』の飲料は『砂糖』の代わりに、食品添加物の『甘味料』が使用されています。

カロリーゼロの食べ物って、砂糖が入っていないのにどうして甘いんだろう



それは砂糖の代わりに甘味料が入っているからだよ。



甘味料って食品添加物だよね?安全性は大丈夫かな?



食品添加物でも使用方法を守れば安全です。
この記事で、甘味料にはどんな種類があるのか、その安全性は大丈夫なのかを解説していきます。
この記事を読めば、甘味料について詳しく知ることができます。
この記事は、保健所で働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が、食品添加物『甘味料』についてまとめました。
甘味料とは
食品に『甘み』を付けるために使用される調味料です。
食品衛生法では、『食品添加物』に分類されます。



役割は、砂糖と一緒だね!


甘味料の種類と特徴
『甘味料』は天然甘味料と合成甘味料に分類されます。
天然甘味料の種類と特徴
天然甘味料とは、植物や果物に含まれる甘味の成分を抽出し精製したものです。



天然物由来で、人工的に作ったものではないんだね!
よく食品添加物として使用される天然甘味料の一部をご紹介します。
①ショ糖(スクロース)
代表的な甘味料で砂糖の主成分です。サトウキビやテンサイ(サトウダイコン)から抽出されます。
ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した糖です。



用途は添加物だけど、砂糖と変わりないね
②ブドウ糖(グルコース)
デンプンやグリコーゲンを分解すると得られるもので、自然界に多く存在しています。
お米やジャガイモ等の穀類や、果物に含まれています。
甘味は控えめで、ショ糖ほど甘くはありません。
脳のエネルギー源となるのはこのブドウ糖だけです。



脳を活性化させるにはぶどう糖は不可欠だよ!
③麦芽糖
ショ糖やブドウ糖に比べると甘味は控えめです。
主にアメの原料として用いられます。
④ステビア抽出物(ステビオシド)
ステビアは、南アメリカ原産のキク科の植物です。このステビアから抽出された『ステビオシド』が甘味料として使用されています。
過去には、アメリカで使用が禁止されていましたが、2008年にFDA(日本の厚生労働省)が安全性を認めました。
ステビアについては次の記事でまとめました。





天然甘味料の安全性はどうなの?



糖はいろんな食物に含まれていて、食経験も長いから大丈夫です。
ただし、取りすぎると太るし虫歯にもなるから注意が必要だね。
合成甘味料の種類と特徴
天然には存在しない甘味成分を人工的に合成した甘味料のことです。
ほとんどの合成甘味料は、ショ糖やブドウ糖とは異なり、消化吸収されず体外に排出されますので、カロリーはゼロです。このことから、糖尿病を始めとする病気を患っている方も摂取することができるというメリットがあります。
よく使用される合成甘味料の一部をご紹介します。
①アスパルテーム
日本の味の素が開発した合成甘味料です。砂糖の約200倍の甘みがありますが、低カロリーなので、ダイエット食に使用されています。



加熱すると甘みが失われるみたいだから、加熱しない食品向けの甘味料ですね。
アスパルテームには、L-フェニルアラニンが含まれます。そのため、フェニルアラニンが分解できない『フェニルケトン尿症』を持つ方は、注意が必要です。



体外にほとんど排泄されるなら安全性は問題ないのかな?



そうだね。アメリカのFDA(米国食品医薬品局)でも人体への毒性はないと判断されています。
でも、人工甘味料は食経験の歴史が浅いです。
②アセスルファムカリウム
砂糖の200倍の甘みがあります。
アスパルテームと同様、ダイエット食や、ゼロカロリー飲料に使用されます。
味覚の特徴として、後味が悪いと感じることがあります。
そのため、後味を少しでも改善するために、アスパルテームなど他の甘味料と併用されること多いです。
熱や酸に対して安定なので、パンやクッキーなどの加熱調理する食品にも使用されます。



アセスルファムカリウムは、安全性が高くて、毒性や発がん性は報告されていません。
③サッカリンナトリウム
砂糖の200~500倍の甘みがあります。
主にチューイングガムや歯磨き粉に使用されています。



こんな経過があるので、、安全性については、少し気にされる人がいるかもしれません。
1960年、動物実験で発がん性が判明したことから一度は使用が禁止されました。
しかしその後、サル等を含めた様々な動物実験を行ったところ、発がん性は確認されませんでした。
そのため、1960年の実験内容に見直しが行われ、今後は発がん性はないものとして取り扱われました。



こんな経過があったから、日本では安全性を維持するために、食品衛生法により、各食品への使用量を制限しています。



ちなみに、アメリカや中国では大量に使用されています。



中国はなんでもありなイメージだけど、アメリカがたくさん使ってるってことは大丈夫なのかな?



発がん性は様々な要因が絡み合うから、なかなか証明するのは難しいんですよね。
サッカリンについては、次の記事で詳細にまとめました。


④スクラロース
ショ糖を塩素化したもので、砂糖の約600倍の甘みがあります。
アスパルテームやアセスルファムカリウムと同様、消化吸収されずほぼ100%が体外へ排出されます。
そのため、血糖値へ影響を与えず、虫歯の原因にはならないと考えられています。



現在、日本を含めて約80か国で使用が承認されています。
海外での甘味料の使用状況



まず、日本でのみ使用が承認されている甘味料はありません。



日本で使用されてる甘味料は、外国でも使用が認められてるってことだね!
合成甘味料は、外国の大部分で大量に使用されております。
逆に、海外で使用は認められていて、日本で使用できない甘味料があります。それは、『サイクラミン酸(チクロ)』です。アメリカや日本では催奇形性や発がん性の疑いを指摘されたことで、1969年に使用禁止となりました。現在では、中国・カナダ・EU圏等の約55か国で使用されています。
そのため、海外から食品を輸入する場合は、サイクラミン酸が使用されていないか確認するようにしましょう。



検疫所や行政が輸入食品を検査したときに、たまにサイクラミン酸が検出されて、業者に対して回収を命じています。
まとめと、甘味料の安全性に対する私の考え
この記事では甘味料の種類と安全性についてまとめました。
人工甘味料は糖類ではないので、糖類をとれない人でも食べることができ、非常に有用性のあるものだと私は考えています。
しかし、安全性については、様々な意見があります。



一部世間では、人工甘味料には発がん性があると噂されてるね
実際、サイクラミン酸は発がん性が確認されて使用禁止になってるし。。。
私個人の意見としては、人工甘味料の健康への影響は、あまり気にしなくてもよいのではと考えます。
なぜなら、人工甘味料の健康への影響で特に懸念されている『発がん性』は、心配しても仕方のないものだからです。
『発がん性』とは、簡単にいうと人体の正常な細胞を、がん細胞(悪性細胞)に変化させる性質をいいます。
『発がん性』には、食事だけでなく、さまざまな要因(ストレスや環境物質など)が絡んでいるため、ある物質の『発がん性』を証明すること、あるいは否定することは非常に困難です。
そのため、私は『発がん性』について、あれこれ考えることは無駄だと思っており、考えすぎないようにしています。
しかし、人工甘味料は最近になって使用されるようになったもので、人工甘味料に関する研究は十分されているとは言えないため、どうしても人工甘味料の『発がん性』が気になる人は、食品の表示をよく見て、摂取したくない添加物が含まれていないか確認するようにしましょう。



人工ではない天然の甘味料は、安全かと言われればそうではありません。
天然の甘味料である『砂糖』は皆さんがご存じのとおり、虫歯や糖尿病、肥満の原因になります。 天然、人工に関わらず、摂りすぎには十分注意する必要がありますね。
それでも人工甘味料を摂りたくないという方へ
人工甘味料を使用していない食材を中心に取り扱っている食材宅配サービスがあります。
このサービスを利用すれば、食品表示をわざわざ確認する必要もありません。
次の記事でまとめていますので是非確認してみてください。


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