
冷凍食品って一回に使いきれない事が多いんだけど、袋の口を閉じてまた冷凍してもいいのかなあ?次使う時に食中毒とか起こさない?



正しい取り扱いをすれば再度冷凍庫に戻しても大丈夫です。この記事では、冷凍食品の安全な取り扱いについて紹介します。
この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が解説します。
開封後に再冷凍は可能?
条件付きで可能です。
次の条件を守れば、開封後の冷凍食品の袋を閉じ、再冷凍することは可能です。
その条件は3つあります。
- 1つ目が、解凍後のものは再冷凍(凍結)しないこと。
- 2つ目が、衛生的な場所で、衛生的に取り扱うこと。
- 3つ目が、より密封性の高い状態で再冷凍すること。
それぞれの理由を説明します。
解凍後のものは再冷凍(凍結)しないこと
冷凍食品は冷凍状態を保持することで賞味期限が担保されます。
一度解凍してしまうと、食中毒菌等の微生物が増殖してしまっている可能性があり、安全に食べることができません。
また、解凍されたものを再凍結すると、食品の品質劣化にも繋がり、美味しく食べることができません。
そのため、一度解凍したものは、再凍結しないようにしましょう。
衛生的な場所で衛生的に取り扱うこと
食品が冷凍状態であれば、微生物は増殖することができません。
ただし、一度袋を開けてしまうと、作業環境中や人の手から、微生物を付着させてしまう可能性があります。
微生物を付着させてしまうと、それにより食中毒発生の危険性が高まります。
食中毒菌の中には少量でも食中毒を起こすものがあるため注意が必要です。
ノロウイルスもその一つで、少量で食中毒を起こします。
以上のとおり、食中毒菌等の微生物を付着させないために、衛生的な場所で衛生的に取り扱うことが大切です。
取り扱う場所の整理
まずは冷凍食品を取り扱う場所を整理しましょう。
不要物が多くあると、その分、微生物汚染の危険性は高まります。
器具の清拭・消毒
次に、その場所や作業者の手、開封するために使用する器具を消毒しましょう。
汚れている場合は、ふきん等で汚れを取り除いてから消毒しましょう。
消毒に使用する薬剤は、食品添加物指定の消毒剤がおすすめです。
消毒剤はさまざまなものが市販されていますが、その有効性や成分の安全性はさまざまです。
特に食品の周辺環境を消毒する場合は、食品にかかっても安全なものを使用する必要があります。
食品添加物の指定がされている製品は、安全性が確認された成分のみが使用されていますので、安全です。
通常の消毒剤より価格が高いのがデメリットではあります。
おすすめの消毒剤を参考に掲載しますので、確認してみてください。
また、微生物を付着させることに不安を感じる方は、使い捨て手袋を使用されてもいいと思います。
使い捨て手袋も、食品衛生法適合品(食品添加物の規格基準 器具容器包装)がありますので掲載しておきます。
取扱時間を短時間に!
そして、取扱い時間をできるだけ短時間にしましょう。
これは解凍されてしまうこと、製品温度が上昇してしまうことを防ぐためです。
予め使用する量を決めておき、その量を取り出したらすぐに冷凍庫に戻すようにしましょう。
再冷凍する際に密封性を高める方法
冷凍食品を開封後、どのように袋を閉じて再冷凍したらよいか疑問を持たれている方もおられるのではないでしょうか。
袋の口を丸めて、ゴムで縛るだけでは不十分と考えます。
なぜなら、ゴムで縛るだけでは密封性が十分ではないため、内部の微生物汚染に繋がる可能性があり、また外気と触れることで食品の品質の劣化が起こってしまうからです。
密封性を高めるおすすめの方法は、袋の口を丸めてゴムで縛ったうえで、それをジップロックに入れて保存する方法です。その際、ジップロックの内部は空気を抜くようにすれば、より保存性が高まります。
冷凍保存におすすめのジップロックを掲載しておきます。
再冷凍後の保存期間(賞味期限)について
一度開封した冷凍食品は2~3週間以内の使用するようにしましょう。
本来の賞味期限は、冷凍食品が未開封でかつ、冷凍状態が保持されていることが条件です。
最後に
上記の条件を守れば、一度開封した冷凍食品を安全に再冷凍することは可能です。
冷凍保存は万能ではありませんので、衛生的な取扱いを意識しましょう。
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