レトルト食品は常温保存なのになぜ賞味期限が長い?設定方法は?

レトルトカレーなどのレトルト食品は、一般的に賞味期限が長く(1年以上)設定されています。消費者の方の中には「本当に長持ちするの?体に悪い食品添加物が大量に使われてるんじゃない?」と思われる方もいると思います。

ゴン

レトルト食品ってどうしてあんなに賞味期限が長いんだろう?
長いものだと3年ぐらい日持ちするものがあるよね?

もぐ

それは、微生物が食品内に残らないように殺菌しているからだよ!

ゴン

そうなんだ!
てっきり保存料とかをたっぷり使用しているのかと思った(笑)

もぐ

保存料は使用できる食品も量も決まっているし、保存料をたくさん加えても日持ち効果は限定的だよ(笑)
それじゃあ、この記事では、レトルト食品がどういう風に作られていて、なぜ賞味期限が長いのか説明するね!
この記事を読めば、レトルト食品のことに詳しくなれるよ!

記事の信頼性

この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が、レトルト食品の製造方法と、賞味期限が長い理由についてまとめました。

目次

レトルト食品とは

レトルト食品は、正しくは容器包装詰加圧加熱殺菌食品といいます。レトルトとは『高圧釜』という意味です。

食品衛生法では、「食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品及び魚肉練り製品を除く)を気密性のある容器包装に入れ、密封した後、加圧加熱殺菌したものをいう。」と定義されています。

ゴン

漢字ばっかりでわかりにくいね
つまりどういうこと?

もぐ

簡単に言い換えると次のとおりだよ!

簡単に言い換えますと、「容器に入れて密封(内容物が漏れないように封をすること)した後に殺菌した食品」のことです。

レトルト食品を製造するときの決まり事

もぐ

レトルト食品には守らなくてはならない『成分規格』があるよ!
『成分規格』っていうのは、その食品に『こういう微生物や物質が含まれていてはダメ』っていう決め事みたいなものだよ!

食品衛生法では、食品別の規格基準で「容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルト食品)は、当該容器包装詰加圧加熱殺菌食品中で発育し得る微生物が陰性でなければならない。」と規定されています。

つまり、レトルト食品を製造するときは、原材料や製造工程で混入する可能性のある微生物をすべて死滅させることができる殺菌工程が、食品を包装した後に必要です。

レトルト食品の賞味期限が長い理由

レトルト食品は、上記の決まり事を守るために、製造工程の最後に殺菌します。

レトルト食品の賞味期限が長い理由は、容器内部に微生物が全く存在しないように殺菌されているからです。

ゴン

微生物が全くいないから食品も腐らず、日持ちするんだね!

もぐ

そうだね!次はレトルト食品がどうやって殺菌されているかを簡単に説明するよ!

レトルト食品の殺菌方法

レトルト食品の殺菌方法は、食品を包装容器に詰め、密封包装を行った後、「中心温度120℃4分相当以上」の殺菌を行います。この加熱により、微生物は完全に死滅します。

微生物の中には、熱に強い『芽胞』と呼ばれる殻を作り、加熱から身を守る微生物(ウェルシュ菌やボツリヌス菌)がいますが、「120℃4分以上」の加熱は、芽胞も破壊し、すべての微生物を死滅させることができます。

ゴン

120℃で4分以上加熱したら、微生物はすべて死滅しちゃうんだね

殺菌効果の確認

殺菌工程の後、きちんとすべての微生物が死滅しているか確認する必要があります。

その確認方法が食品衛生法に2つ規定されています。その2つの試験を簡単にご紹介します。

①恒温試験

殺菌後の製品を数検体抜き取り、35℃で14日間保管します。その時、包装容器が膨張したり、内容物が漏れたりしないか確認します。

膨張がみられた場合、包装容器内部で微生物が繁殖している可能性があります。

内容物の漏れがみられた場合、密封が不十分であり、微生物が混入している可能性があります。

上記が発覚した場合は、その製品は出荷できません。

②細菌試験

①の恒温試験を合格した製品は続いて細菌試験を行います。この試験により製品中に微生物が含まれていないか確認します。

ゴン

きちんと殺菌されているか確認もしないとダメなんだね

もぐ

レトルト食品を作るには、いろいろと苦労するんだよ!

まとめ

私たちが普段、何気なく食べているレトルト食品は、このような製造・殺菌工程を経て製造されています。

よく、「レトルト食品は、微生物が繁殖しないよう大量の食品添加物を加えている。」と誤解されている方がいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。

この殺菌技術により、常温でも長期保存可能な食品の製造が可能となり、レトルト食品は災害時の非常食としても重宝されています。

今後も食品の製造技術の進歩を期待したいと思います。

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