
食品には添加物が使われているけどどういうメリットがあるの?
デメリットもあれば教えてほしい!



食品添加物は食品を長持ちさせたり、味をととのえたりする効果があります。
この記事で食品添加物のメリットとデメリットをまとめます。
この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が、食品添加物のメリットとデメリットをまとめました。
食品添加物とは
食品衛生法では、「食品添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。」と定義されています。
食品添加物は、着色料、甘味料、保存料等の種類がありますが、日本で使用できる食品添加物は、原則として厚生労働省が定めたものに限られます。




食品添加物のメリット
食品添加物には、さまざまなメリットがあります。
食品添加物は、基本的にメリットがないと食品への使用は認められません。
大きく分類すると次の6点が挙げられます。
- 食品を長持ちさせることができる!
- 食品にさまざまな『味』を与えることができる!
- 食品にさまざまな『彩』を与えることができる!
- 食品にさまざまな『香り』を与えることができる!
- 食品にさまざまな『形』を与えることができる!
- 食品の栄養強化ができる!



ここからはそれぞれのメリットについて、具体例を挙げながら解説します。
①食品を長持ちさせることができる!
保存料、酸化防止剤、防カビ剤、pH調整剤など、食品を長持ちさせるために食品添加物が使用されています。
- 保存料・・・細菌の細胞内に入り込み、増殖を抑える。細菌を死滅させる作用はない。
- 酸化防止剤・・・油の劣化を抑える作用があり、食品の変敗を抑制することができます。
- 防カビ剤・・・カビの原因である真菌の細胞内に入り込み、増殖を抑えます。農薬の一種です。
- pH調整剤・・・細菌類は、pHが7~8ぐらいで増殖するため、pHを酸性側に偏らせることで細菌の増殖を防ぎます。お酢を加えることに似ています。




②食品にさまざまな『味』を与えることができる!
甘味料や酸味料などは、食品の味を調整する食品添加物です。
甘味料は、砂糖とは異なり体に吸収されないものもあるため、糖尿病患者が食べる食品に使用されたりしています。



ごく少量で効果を発揮するため、調味料を加えるよりも調整がしやすいそうです。






③食品にさまざまな『彩』を与えることができる!
着色料が食品に彩を与える目的で使用されています。
着色料は天然の植物由来のものと、人工的に合成されたものがあります。
人工的に合成されたタール系色素は、非常に色が鮮やかに出る食品添加物で、まるで絵具のようです。
そのため、品質を欺くことを防止するために、カステラや海苔などへの使用が制限されています。


④食品にさまざまな『香り』を与えることができる!
香料は、食品に香りを与えるために使用されます。
香りは、食品を味わううえで非常に重要な要素です。
食品にはさまざまな香料が使用されており、そのほとんどは天然の植物に由来するものです。
⑤食品にさまざまな『形』を与えることができる!
ゲル化剤や凝固剤、膨張剤、結着剤などは、食品の形を整えるために使用されます。
ジャムやゼリーには、ペクチンというゲル化剤が使用されており、冷ますとゲル状に固まります。



ゼリーなどを固めてるのも添加物の働きなんだね!



豆腐を固めるときに使う『にがり』も凝固剤のひとつです。
また、ケーキ生地には重曹などの膨張剤が使用されていることがあります。



生地をふっくらさせる作用があります。
⑥食品の栄養強化ができる!
食品の栄養強化にも、食品添加物が使用されます。
ビタミンやカルシウムなどのミネラル類、アミノ酸などが添加されています。



ビタミンやアミノ酸も食品添加物として使用されているんだね
食品添加物のデメリット
食品添加物のデメリットとして、次の2点が挙げられます。
- 安全性に関するさまざまな情報が飛び交っている
- 使用基準が細かく決められている
①安全性に関するさまざまな情報が飛び交っている
食品添加物は、基本的に安全で、健康への影響はないとされています。
なぜなら、厚生労働省に使用を承認してもらうために、毒性試験や発がん性試験などさまざまな検査が行われており、安全性が確認されているからです。
しかし、ネット上や一部の雑誌では、『発がん性がある!』や『子供へ悪影響!』といった根拠のない記事がでており、消費者の不安を煽っているものがみられます。
添加物に関する情報は、どれが正しい情報かは判断しにくくなっていますが、食品添加物の使用が承認されるためには、安全性が入念に確認されているということを覚えておいていただければと思います。



使用の歴史が浅い添加物もあるので、どうしても気になる添加物がある方は、食品表示を確認して摂取することを避けましょう。



僕は防カビ剤が少し気になるから、オレンジを食べるときはしっかり洗うようにしてるよ!洗えばある程度除去できるらしいからね!
食材宅配サービスには、食費添加物が使用されていないものを中心に取り扱うサービスがあります。


②使用基準が細かく決められている
食品添加物は、使用できる食品や、使用できる量が細かく決められています。
それは、安全性を確保するためです。
この点は、消費者の方にとってはあまり気にするデメリットではありませんが、製造者側にとっては大きなデメリットです。
なぜなら、使用できる食品以外に使用したり、使用できる量を超えて使用してしまうと食品衛生法違反となり、行政から回収を命じられるからです。
製造業者の方は、食品添加物の使用基準を熟知していないと大きな損害が発生してしまう恐れがあります。



ただし、使用基準違反の食品を食べたからと言って、直ちに健康被害が発生するわけではありません。使用基準はかなり余裕をもって設定されていますので、大抵の場合は心配する必要はありません。
まとめ
この記事では、食品添加物のメリットとデメリットをまとめました。
- 食品を長持ちさせることができる!
- 食品にさまざまな『味』を与えることができる!
- 食品にさまざまな『彩』を与えることができる!
- 食品にさまざまな『香り』を与えることができる!
- 食品にさまざまな『形』を与えることができる!
- 食品の栄養強化ができる!
- 安全性に関するさまざまな情報が飛び交っている
- 使用基準が細かく決められている
食品添加物は、メリットの方が大きいです。
なぜなら、メリットがないと食品に使用することが認めらないからです。
さらに、安全性も確認されていないと使用することができません。
食品添加物についてはさまざまな情報が出回っていますが、正しい情報を収集することが大切です。


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