
よく居酒屋で鶏の刺身やたたきが提供されてるけど、鶏肉って生で食べて大丈夫なのかな?
食中毒とか起こらない?



結論から言うと、鶏の刺身やたたきを食べると食中毒を起こす可能性があります。
お店で出されてるからといって安全と言うわけではありません。
この記事では、鶏肉の生食についての疑問をまとめましたので、是非確認してみてください!
この記事では、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が、鶏肉の生食ついて説明します。
鶏肉の生食は大丈夫?
鶏肉を生や加熱不十分な状態で食べることは食中毒のリスクがあります。
その理由は、鶏肉はカンピロバクターという食中毒菌に汚染されており、食中毒を引き起こす可能性が高いからです。
新鮮な朝引きの鶏肉でも安全とは言えません。新鮮な鶏肉ほどカンピロバクターの汚染率が高いからです。
カンピロバクター食中毒になると、強烈な腹痛、発熱、下痢が3日から4日続き、非常に辛いです。
実は、食中毒のリスクを抑えて安全に鶏のたたきを食べる方法があります。
こちらの記事で紹介していますので興味のある方は確認してみてください。


鶏肉の生食へのよくある疑問をまとめました。
鶏肉の生食で実際に食中毒が発生しているの?
令和2年の全国食中毒発生件数で最も多いのが、鶏肉の生食を原因とする食中毒です。
鶏肉の生食をすると、カンピロバクター食中毒を起こす危険性があり、実際に毎年300件以上発生しています。
これは、ノロウイルスを原因とする食中毒よりも多い数です。
また、カンピロバクター食中毒の患者のほとんどは大学生以下の若い世代です。
これはおそらく、若い世代が鶏肉を生食することへの危険性の認識が薄いことと、免疫を持ってないことが原因だと考えられます。



保健所で働いていた時は、大学生からよく、鳥の刺身を食べて体調を崩したと言う相談を受けていました。
飲食店で提供されているものだから大丈夫?
飲食店に行って、メニューにあるものだと食べても大丈夫なのかな?と思われる消費者の方がいますが、それは正しくありません。
お店側は、もちろん利用客を食中毒で苦しませるためにそのような食事を提供しているわけではありません。美味しいものを食べて喜んでもらうために提供していますが、食品衛生に関する正しい知識がない調理従事者の方もいます。
食品衛生法にあるとおり、お店の方は正しい知識を身につけ、お客さんに安全な食事を提供しなければなりませんが、消費者の側も正しい知識を身につけ、危険が潜む食べ物を食べないようにし、身を守る必要があります。
鶏肉は朝引きで新鮮だから大丈夫?
朝引きとは、その日の朝捌いたものという意味です。
『この刺身に使ってる鶏肉は朝引きの鶏肉だから食中毒は起こりません』といったフレーズを聞いたことはありませんか?
焼鳥屋さんや、テレビでよく見るフレーズですね。
朝引きの鶏肉は確かに新鮮ですが、新鮮だから生で食べても安全!というわけではありません。
むしろ、新鮮な方が食中毒の原因菌であるカンピロバクターの数が多いので、注意が必要です。



新鮮ではない鶏肉だと安全というわけではありません!
鶏肉の表面を加熱すれば大丈夫?
鶏肉の表面だけの加熱では十分ではありません。
食中毒の原因菌であるカンピロバクターは鶏肉の表面だけでなく、内部まで汚染されているという調査結果があります。
そのため、鶏肉のお刺身だけでなく、『鶏肉のたたき』などの加熱不十分な鶏肉料理も食中毒の危険性があると言えるでしょう。
鶏肉の刺身がメニューにないと新鮮な鶏肉を使っていない?
それは違います。
むしろ、食中毒に関する正しい知識を身に着けているお店ということになります。
もしカンピロバクター食中毒にかかったら
まずは病院を受診して、抗菌薬を処方してもらいましょう。
カンピロバクターには有効な抗菌薬があります。
抗菌薬を服用するのとしないのとでは、回復までにかかる期間に差が出てしまいます。
あとは、水分補給をしっかりしましょう。
まとめ
鶏肉を生で食べることはリスクを伴うということを知っておきましょう。
私は大学生のころに3回ほど食べたことがありますが、そのうち2回、下痢などの体調不良を起こしました。
鶏肉の生食をすると、だいたい食べてから2日後に体調不良になります。
鶏の生食に対して正しい知識を身につけ、安全に食べましょう。
実は、食中毒のリスクを抑えて安全に鳥のたたきを食べる方法があります。
こちらの記事で紹介していますので興味のある方は確認してみてください。


『体調不良を起こしてしまい、食材を買いに行けない!』という人や、『安全で安心な食材を購入したい』という方には次の記事も是非読んでみてください。


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