
鶏のたたきを食べてみたいんだけど、安全に食べる方法はないかなあ?



鶏のたたきは食中毒のリスクはありますが、購入先を慎重に選べば安全に食べることも可能です。
こちらの記事では、鳥のたたきをできるだけ安全に食べる方法を紹介します。
この記事は、保健所の食品衛生監視員として働いた後、食品工場の品質管理部で働いている薬剤師が解説します。
鳥肉の刺身やたたきは食中毒のリスクがあります。
鶏肉の刺身やタタキを食べると食中毒のリスクがあります。
詳しくはこちらの記事を確認してください。


しかし、食中毒のリスクを抑えて、鳥のたたきを安全に食べる方法があります。
リスクはあるが安全に食べる方法がある!
鳥のたたきを安全に食べる方法があります。
それは、鹿児島県と宮崎県で製造されていて、衛生管理のされている鳥のたたきを食べることです。
なぜなら、鹿児島県と宮崎県でのみ、鳥のたたきを製造するときの基準(ルール)が決められているからです。
そのため、鳥のたたきを安全に食べたい場合は、鹿児島県か宮崎県の事業者で、県が決めた安全基準を遵守している事業者から購入しましょう。



ここからは鹿児島県と宮崎県の衛生管理について紹介します。
鹿児島県の取り組み
鹿児島県では、郷土料理として鳥のたたきが昔から食べられています。
そのため、県全体で衛生管理に取り組み、安全で安心な鳥たたきを全国に出荷しています。
①成分規格(細菌数の基準)目標を定めている
鹿児島県では、『生食用食鳥肉は,糞便系大腸菌群,サルモネラ属菌,カンピロバクター属菌および黄色ブドウ球菌が陰性でなければならない。』としています。
これが守られていれば、食中毒の原因となる菌が付着していませんので、食中毒を起こすことはありません。
②加工するときの基準目標を定めている
鹿児島県では、『食鳥処理場における加工』と、『食肉処理場における加工』に対して基準を設定しています。
と体の処理時(食鳥処理場)
(ア)食鳥処理工程(脱羽・内臓摘出時等)において,消化管内容物等による二次汚染防止に努めること。
(イ)生食用中抜と体は,病変,寄生虫,傷,消化管内容物の付着の認められないこと。
(ウ)生食用中抜と体の腹腔内は,流水にて十分に洗浄し,必要に応じて殺菌を行った後,水切りを十分に行うこと。
(エ)生食用中抜と体は,水切り後に表面を焼烙殺菌すること。
鹿児島県HP 食用食鳥肉等の安全確保についてより
鳥刺しの処理時(食肉処理施設)
(ア)鳥刺しを処理するまな板及び包丁等の器具は,専用のものを用いること。専用の処理台については,設置するのが望ましい。また,これらの器具は,清潔で衛生的な洗浄消毒の容易な不浸透性材質であること。
(イ)手指又は器具が汚染されたと考えられる場合,またはその他必要に応じて,その都度洗浄又は洗浄消毒を行うこと。
(ウ)器具の洗浄消毒は,83℃以上の温湯により行うこと。
(エ)手指は,洗浄消毒剤を用いて洗浄すること。
鹿児島県HP 食用食鳥肉等の安全確保についてより
鳥たたきを製造するときのルールを厳しく決めて、製品が食中毒菌に汚染されないようにされています。
※注意!レバーなどの内臓は安全性が認められていない。
鹿児島県の衛生管理のガイドラインでは、レバーなどの内臓のタタキの安全性は担保されていません。
そのため、安全に食べたい場合は、胸肉やモモ肉のみにしましょう。
宮崎県の取り組み
宮崎県も独自に『生食用食鳥肉の衛生対策』を策定し、これに基づき県内の事業者の監視指導を行っています。
①成分規格(細菌の基準)目標の設定
宮崎県も鹿児島県と同様に成分規格(細菌の基準)目標を、『生食用食鳥肉は,糞便系大腸菌群,サルモネラ属菌,カンピロバクター属菌および黄色ブドウ球菌が陰性でなければならない。』としています。
これが守られていれば、食中毒の原因となる菌が付着していませんので、食中毒を起こすことはありません。
②加工時の基準目標の設定
宮崎県では、食鳥処理場と食肉販売店それぞれに加工基準を設定しています。
認定食鳥処理場の加工基準 一部抜粋
・腹腔切開、内臓摘出は消化管を傷つけないように行う。
・内臓摘出後のと体の腹腔内は、流水で十分洗浄を行い、使い捨ての衛生的な布巾
やペーパータオル等で水分を十分にふきとり、ドリップによる二次汚染を防ぐ。
・生食用に供すると体の体表及び腹腔内は焼烙により殺菌を行う。
・包丁やまな板などの使用する器具は、 生食用食鳥肉専用のものとする。
・器具は30分ごとに洗浄消毒を行い、汚れが認められた場合にはその都度、洗浄
消毒を行う。器具の消毒は油脂等の汚れを洗剤等で取り除いた後、83℃以上の熱湯、 次亜塩
素酸ナトリウムもしくはアルコール等の薬剤により実施する。
・手指は30分ごとに洗浄消毒を行い、汚れが認められた場合にはその都度、洗浄
消毒を行う。
・解体・カットした生食用肉は専用の容器に入れ、他の部位肉や内臓と分別する。・生食用食鳥肉は他の部位肉や内臓とは別に包装し、その際、他から二次汚染を受
宮崎県が策定した『生食用食鳥肉の衛生対策』より一部抜粋
けないように注意する。
食肉販売店の加工基準 一部抜粋
・ 取引業者とお互いに、生食可能であることを確認した上で取引をする。
・ 丸と体以外で受け入れる場合は、生食用とそれ以外が分けて包装されていることを確認
する。・ 生食用と生食用以外は、それぞれ専用の容器に入れ、明確に区別して保管する。
・ 冷蔵庫内の温度が、10℃以下であることを、1日1回以上は確認し、記録する。・包丁やまな板などの使用する器具は、生食用食鳥肉専用のものとする。
宮崎県が策定した『生食用食鳥肉の衛生対策』より一部抜粋
宮崎県はより詳細に加工基準を決めており、安全対策を徹底していることが分かります。
オススメの購入方法はネット通販
この記事で紹介したとおり、鳥のたたきを安全に食べたい場合は、鹿児島県か宮崎県の事業者で、県が決めた安全基準を遵守している事業者から購入するべきです。
地元の飲食店で提供されたものを食べると、きちんとした衛生管理がされていない可能性が高く、食中毒を起こす危険性が高いと思われます。



鹿児島県や宮崎県に買いに行けないなら、ネット通販がオススメだね
そこでおすすめの購入方法は、ネット通販です。
ネット通販であれば、確実に安全が確保された鳥のたたきを購入することができます。
ただし、様々な事業者が鳥のたたきをネット販売しており、どの商品を買えばいいか判断が難しいと思います。
そこで、ネット通販されている鳥のたたきの中で、①鹿児島県または宮崎県の事業者が製造していて、②県が決めた安全基準を遵守している事業者が販売しているおすすめの商品を選んでみました。
安全に食べられるオススメの鳥たたき
①宮崎県産妻地鶏のたたき(胸肉・もも肉)
- ★安全性
-
宮崎県の事業者で、宮崎県の安全基準を遵守していますので、安心して食べることができます。
- ★美味しさ
-
むね肉は脂身が少なくあっさりしていてヘルシーに食べることができます。しっとりもちもちした食感で癖になる美味しさがあります。
もも肉は、皮がパリッとしており非常に香ばしい匂いが食欲をそそります。脂身が多めで鶏肉の甘みを感じることができ、非常にオススメです。
②鹿児島県産さつま十八番 鶏たたきセット
- ★安全性
-
鹿児島県の事業者で、鹿児島県の安全基準を遵守していますので、安心して食べることができます。
- ★美味しさ
-
むね肉は甘くて柔らかく、ほんのり甘みがあります。もも肉はすこし歯ごたえがありますが、甘味が強く感じられます。
むね肉ともも肉を食べ比べることができ、どちらも美味しいためオススメできる商品です。
さいごに
鳥のたたきは、食中毒のリスクがあります。
ただし、衛生管理を徹底した鳥のたたきであれば、そのリスクを最小限に抑えることができます。
どうしても食べてみたい方は、この記事の内容を参考にしてみてください。
なお、お子様や妊娠中の方、高齢者の方は免疫力が落ちていることがありますので食べるのは控えましょう。
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